シェイクスピアはいったい誰だったのか?
マーク・トウェイン書「Is Shakespeare Dead?」より
歴史上の人物がこの世を去る時、その人生の歩みは世間一般に良く知れ渡っている。しかし、これには例外が存在する。たった一件だけだが、偉人中の偉人で世の中に一般に幅広く尊敬された人物であるシェイクスピアだ。
彼は生存中は無名で、死後約2~3世代後になってようやくその名が有名になり始めている。彼の劇は当初から多大な評価を受けているのに。だが、彼は自分の偉大な創作とその評価を知らずにこの世を去っている。
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シェイクスピアがストラッドフォード(生まれ故郷)で1616年この世を去った時、何の騒ぎも一切起きなかった。英国でごく普通の劇場役者が死去したときと同じ反響しかなっかたのである。ロンドンから葬儀に来訪した者は一人としていなかった。
弔意の詩一つも歌われず、雄弁な賛辞もなく、国民の涙も流されず、まったくの沈黙だったのである。これは当時の彼より有名でないベン・ジョンソン、フランシス・ベイコン、スペンサー、リーハイや他の著名人が亡くなった時起きた騒ぎに比べて、極端に対象的である。
彼がこの世を去ってから、60年後のストラッドフォードの住民には彼について思い出すことや、彼の人生について知る人もいない状態であった。
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1. 今に至るまで、ストラットフォードエイボンのシェイクスピアが彼の生涯に於いて劇の一本も書いた事実を知る人や証明できる人は誰一人としていない。
2. 今に至るまで、彼が生涯に於いて(一通の)手紙を書いたことを知る人や証明できる人は誰一人としていない。
3. 今までに知られる限り、生涯に於いて彼はたった一通の手紙を受け取っている。
シェイクスピア 2 ページに続く。
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